<試合の朝は何時に起きる?>
試合の前の晩って、緊張してなかなか眠れませんね
それでもって、朝はついつい寝坊してしまうこともしばしばです。
そして慌てて、朝ごはんもそこそこに、プールに行って、アップして、すぐ試合ということになりがちです。
でも、朝何時におきるかということは、じつは、とても大事なことなんですよ。
なぜでしょうか? それを説明しましょう。
頭と体の起きる時間は違う
朝、目覚ましでおきても、ボーとしていることってよくありますよね。
ご飯も、半分寝ぼけてて、しばらくいつもの調子って出ないものです。それは、まだ体が寝ているからです。
この状態で、もし試合でレースをしたとしても、ベストは出ると思いますか?
まず無理です。 初心者でまだ50mが40秒とか50秒かかるレベルならともかく、30秒切るくらいですと
体が寝ている状態でレースしても、そう簡単にベストはでません。
ベストを出すには、心身ともに健康であるとと共に、頭も、体も、しっかりと起きている状態でないといけないんです。
では、体はだいたい、どのくらいで起きるのでしょうか?
目覚め方にもよりますが、最低でも2時間は、起きてから時間がたたないと体は本調子になりません。
ですから、自分の泳ぐ時間から逆算して、朝、起きる時間を決めましょう。
また、あとで書きますが、アップも、試合前にはとても大事な役割がありますので、
できれば、アップの2時間前に起きているといいですね。
まあ、場合によっては、朝、自分たちのプールで泳いでから、試合会場にいくという時もありますから、
そんな時は、2時間前に起きるとなると、4時、5時になってかえって大変になる場合もあるでしょう。
でも、もしこの試合に賭けているなら、そのくらいはしないといけません。
起き方と寝る時間
朝の起き方によっても違うと書きましたが、どのように違うのでしょうか? それは脳波にあります。
よくスッキリ起きれる時と、なかなかいつまでもボーっとしていて、なかなか目が覚めない時がありますね。
簡単に言えば、深い眠りから起きた時と、浅い眠りから起きた時の違いです。
つまり、浅い眠り<レム睡眠>(夢を見ている場合が多い)は、脳は半分起きていますから、すぐに目が覚めやすいのです。
逆に、深い眠り<ノンレム睡眠>は、ぐっすり眠っていますので、呼吸も、心拍数も、脈拍も遅くなっていますから
そこから起きると、そうとうボーとして、ちょー不快感を味わいます。
ですから、試合の朝は、そりゃあすっきり爽快に起きたほうがいいに決まっていますので、レム睡眠の時
夢を見ているときに起きると、いちばんいい調子で一日がはじまりますから、いい試合もできるでしょう。
では、どうやって、その時間に起きるかといえば、睡眠時間を調整することによってできます。
個人差はありますが、だいたい睡眠は、ノンレム睡眠と、レム睡眠を、約1時間半ごとに繰り返します。
ですから、6時間、または7時間半の睡眠時間をとれば、だいたい目覚めがいい起き方ができるのです。
(もちろん、なかなか寝付けない場合は、計算はずれてきます)
個人差があるので、自分のねむりの波長、インターバルを日ごろから観察しておくといいですね
睡眠時間を、7時間半にしたり、8時間にしたりして、一番いい寝起きの時間を知っておくといいでしょう。
<試合中の食事>
さあ、きょうが試合だ!! という日に、朝食をとらないでいては、朝から力が出ません。
逆に、きょうは試合だからといって、朝からステーキを食べていても、体が動きません。
試合の日の食事(前日も)は、とても大切なんです。
朝食 (前日の夕食)
試合当日の朝は、何を食べればいいのでしょうか?
試合の日は、すごく緊張しているので、普段より消化する能力は低下しているといえます。
ですから、消化の良いものにするといいでしょう。
うどんとか、モチとか、練り製品がいいですね。また油が使ってないものがいいです。
レース中に、もし胃の中にたくさんのものが入っていると、体は消化するためにも体力を使わないといけないので
おもうように動くことができなくなります。ですから、レースにはせめて胃の中は空の状態が好ましいからです。
だいたい消化する時間は、ご飯とかパンなどの炭水化物は、4時間。油物は6時間かかります。
ですから、試合の時の朝もエネルギーを出すため、たくさん食べたいですが、普段の食事とは変えたほうがいいですね
前日の食事についても、同じことが言えます。
だいたい脂っこいものを食べると、完全に消化するのに24時間かかります。
その間、胃の中にある時間は6時間くらいですから、胃の中にはレースにはなくなっても、小腸にありますから
前日も消化の良いものをとるように心がけましょう。
試合中の食べ物
試合中、レースとの合間によく食べている人を見かけますが、基本的に1つのレースが終わるとエネルギーが消耗されますから
食べることによって、エネルギーの補充をしておくことは大切です。
でも、試合に勝つといって、カツ丼を食べたりしてはいけません(あたりまえだー!! ひとり突っ込み)
では何がいいかといえば、まず1番大切なのはエネルギー切れをおこさないことですから、すぐにエネルギーになるものがいいです。
エネルギーになるものは、単糖類で、ブドウ糖、果糖のことで、簡単に言えば果物です。
果物も、そのままだと繊維とかありますから、なるべくそういうのが少ないもの、バナナなんか最高にいいですね
試合用のスペシャルジュースを作っておくのもいいかもしれません。バナナと、リンゴと、ポカリとを混ぜて・・・なんか、まずそう
チョコレートは、単糖類と多糖類の両方が含まれていますので、ある面はいいかもしれません
(即エネルギーになるチョコレートがネットで売っていましたよ。そういうのならいいかもしれません)
もしレースの間が、2時間くらい開くなら、その間にモチなど食べてもいいでしょう。
*豆知識として、単糖類は、すくにエネルギーになりとてもレース中はいいのですが、普段は食べ過ぎるとよくない糖です。
よく言われるのは、単糖類は、体に悪い糖で、多糖類は、体にいい糖と言っていますので、気をつけてとってください。
お菓子について
この油物というのが、クセもので、お菓子などスナックは、大量に油が使われていますから
試合当日は、なるべくひかえたほうがいいですね。
油は、消化がすごく悪いからです。
またスナックなどは、体によくない科学物質が含まれていますので、いらいらしたりする原因にもなりやすいです。
普段から、なるべくとらないようにするといいですね
レース、1週間前からスナックは食べないという意気込みがあるといいですね
人は、何かの目標のために自分のやりたい事(食べたいこと)を我慢すると、すごくいい結果がでるようです。
気持ちが引き締まるんですね。そのためになにか制限するのはいいことです。(精神的な作用)
なんでも好きなものを食べ、好きなことをしていて、さて、いざレースになってすぐにベストはなかなかでないかもしれません。
<アップの時にすること>
アップとは、簡単に言えば、試合前の準備体操のようなものです。
ですから、簡単にすませたり、適当にやる人がいますね。あなたはどうですか?
じつは、このアップは、すごい重要なんです。これがしっかりしてあるかどうかで、レースの泳ぎがまったく変わります。
よく試合で、きょうは体が重い、思うように動かないという経験をしたことがある人は多いと思いますね。
これは、いろいろな原因がありますが、その最大のものにアップ不足があります。
人間は、寝て起きてから、数時間しかたっていない時に、いきなり最高の力を出すことはできないからです。
ですから、いきなり試合で泳ぐ前に、アップをしておかないといけません。
アップの役割と効果
アップをするとどのような効果があるのでしょうか? あげてみますと、
① 筋肉が動きやすくなる
② 間接が動きやすくなる
③ 血液の循環量(流れる量)が多くなる
④ 血液の中の酸素が、筋肉に供給しやすくなる
⑤ リハーサル効果がある ・・・簡単に言えば、いったん泳ぎを朝、復習しておくと、次に泳ぐ時にその正しい形で泳ぎやすくなる
⑥ 環境に慣れる ・・・新しいプールの感触をあじわう
⑦ 怪我、病気の予防
最初の4つは、体の中のことですが、これが大事なんです。
泳いだときに、体が軽く感じるようになる、あるいは重く感じるというのは、主にこの部分です。
専門的に説明すると難しくなるので、簡単に説明しますね
朝、起きたときは、体は寝ています。つまり心臓も寝ているんです。心臓は血液を送る重要な部分です。
激しく動くには、この心臓がしっかり働いてくれないといけません。
ですが、車のエンジンと同じく、朝、まだ動いていないとき、冷たいときには急には動きません
ですから、アップの時に、ある程度まで心拍数をあげておく必要があります。車で言うアイドリングですね
だいたい1分で130くらい上げると効果的です。
でも、逆に激しすぎるアップは、逆効果で、血液の中に乳酸(体を疲れさせる物質)がたまってしまい
レース直前までに、消えなくなり、疲れたままスタートしなくてはならなくなります。
それでは、やった意味がないですね。このへん気をつけてください。
アップする時間としては、だいたい15分~30分がいいでしょう。
でも、最低でもレースがはじまる15分前には、アップは終了しなければいけません。
体に回復する時間をあたえないといけないからです。
でもダラダラ泳ぐタイプのイージースイムのような低強度のアップは、レース5分前でも大丈夫です。
リハーサル効果
アップする理由のもうひとつとして、このリハーサル効果というのがあります。
それは、朝、体をアップで起こすわけですが、いつもの練習どおりの泳ぎができるかどうかはまた違います。
とくに泳法改造したあとなどは、まだ体が正しい形を覚えていません。
ましてや朝は体が寝ぼけていますので、もう一度、思い出してもらわないといけないんですね
ですから、アップで正しい泳ぎをして、こうやって泳ぐんだよと、体にいい聞かせるのです。
逆にいえば、いいかげんに泳ぐとレースに、正しい泳ぎが出来ないということですね。
わたしもよくありました。いつもできている部分が、泳ぎながら、「あれ? こんな感じだっけ」と
泳ぎながら調整することがありますが、ペストを狙っている泳ぎの時に、これでは出ませんね
アップのやり方
では、具体的に正しいアップの順序を説明しましょう。
① 最初にストレッチをします(5分~10分)
まずストレッチをして関節をやわらかくしないといけません。とても重要です。
ストレッチをしないでアップしても、半分くらいの効果しか出ません
② イージースイム(10分~20分)
だいたい2割~4割の力で、泳ぎます。
キック、プル、スイム、ドリルなどを、効率よく泳いでください。もちろんフォームに気をつけて
とくに課題があるなら、そこを復習して完璧にできると思えるように練習してください。
大切なのは、きょうは調子がいいぞと体に思わせることです。
③ スタート、ターン練習
ここも大切な部分で、上に書いたとおり、体に正しい動きを思い出させるために、やっておく必要があります。
リレーに出るなら、その引継ぎの練習もやっておくといいでしょう。
④ ペース確認と、スプリントスイム
ペースの調整をします。ストローク数の確認などをして、泳ぎ始めどのくらいのスピードで入るか見ておきます。
レースと同じようにスタート台から初めて、前半(25メートル)をレースと同じ泳ぎをしましょう。
これを何本かやります。あまりたくさんするのはいけません。
こういう激しいアップは、レースの15分前には終わっておきましょうね。疲れを残さないためです。
⑤ ダウンスイム (2分~5分)
だらだらと、のんびり、疲れをあらい流すように、レースに勝つぞという闘志を隠しながら、ひたひたと泳いでください。
以上が、アップのやり方です。
でも、アップしてから、食べたり飲んだりして、ダラダラすごすのはよくないですよ。
それと、もしアップからレースまで時間があいてしまうときは、レースの5分から10分まえに水に入り
2割~4割のスピードで泳ぐといいでしょう。疲れることなく、体温を上昇させておくことができるからです。
アップ後からレースまでのすごし方
アップが終わってから、レースまで、なにをしているのが一番いいでしょうか?
とくに制約がなければ、漫画を読むもよし、ゲームをするのもよし、なんですが、
そんなことをここで書いてもなんのためにもならないので、ためになることを書きましょう。
マッサージ
選手どうしが、マッサージしたり、コーチがしたりすることは、これはなかなかいいメリットがあります。
① 手の摩擦熱により、筋温を高めておくことができる
② 手足をストレッチしながらすると、間接が動きやすくなる
③ マッサージすることにより、リラックスし、レースの緊張が減る
④ レース後の疲労回復がしやすく、力を出し切ったときにでる老廃物がすぐに除去できる
などなど、マッサージは、いいところだらけです。一日に何回も泳ぐ人は、とくに念入りにするといいでしょう。
次は、レースにどうやって泳げばいいか考えてみましょう。
<ペース配分>
ペース配分とは、レース中に、どのくらいのペースで泳ぐかということです。
ペース配分をするとしないでは、一流選手で100m0.5秒は違います。
コンマ1秒をあらそう世界ですから、これは大きな違いです。
ましてや、まだ小学生くらいの選手なら、もっと大きな違いが出るでしょう。
ですから、どのように泳ぐのか、どのようなペース配分をするのかは、とても大きな問題です。
きょうから、ペース配分も心がけるようにしましょう。
ペース配分の考え方
ペース配分の基本的な考え方は、
「レースの前半を抑えて泳ぎ、最後の1/4をいかに速く泳ぐことができるか」ということです。
ですから、最初から飛ばして、前半逃げ切りという作戦は、水泳に関しては、あまりいい方法といえません。
なぜなら、水泳という運動量の多いスポーツでは、
前半に全力を出してしまうと、体の中に乳酸という物質がたまり、俗に言う、腕パンパン状態になって
いくら根性で力を出そうとしても、体がゆうことを聞かず、簡単に言えば「死んだ」という状態になります。
また逆に、前半を抑えて泳ぐとどうなるかというと、
体の中は、有酸素運動をしますので、乳酸がたまりにくくなります。
ですから、ペース配分は、前半は抑えるということが基本であることをまず覚えてください。
ペース配分のやり方
ペース配分には、主に2種類の方法があります。
①イーブンペース と、②ネガティブペース の2つです。
イーブンペースは、簡単に言えば、一定のスピードで泳ぐということで、ネガティブペースとは、前半を遅く泳ぐということです。
どちからがいいかは、いろいろな研究の結果、どちらとも甲乙はつけがたいようです。
イーブンペースは、一定の速さで泳ぐということなので、それではペース配分していないんじゃないかと思うかもしれませんが
そうではありません。一定の速さの泳ぎをめざすということは、全力で泳ぐことではなく、計算されたペースで泳ぐということです。
ペース配分とタイム
ネガティブペースで泳ぐからといって、タイムが前半のほうが後半より遅いというわけではありません。
なぜなら、スタートがあるからです。スタートは、普通泳ぐときに出すスピードよりはるかに速いし、
また、スタート直後の泳ぎは、スタートの速さを受け継ぎますから、
前半のスプリットは、イーブンペースで泳げば、後半よりも前半のほうが、2秒くらい速く、(100mの場合の50m-50m)
ネガティブペースで泳ぐなら、前半と後半、同じくらいか、1秒前半のほうが速いタイムになります。
またイーブンペースで泳ぐからといって、ずっと同じスピードで泳ぐということですが、泳ぐ本人の力の入れ具合は変わります。
つまり、だんだん速く泳ぐつもりでないと、イーブンペースで泳げれません。
それは、だんだん体が疲れてくるからです。ですから、ストローク数も、後半にいくにしたがって多くなります。
もちろん、ネガティブペースの場合は、前半おさえますから、当然後半は速く泳がないといけません。
だいたいの割合
ペース配分では、個人の差がありますから、こうだとはっきり言えません
でも、だいたいの割合というものを決めて泳ぐことができます。
先ほど、2つの種類がペース配分にあるといいましたが、でも実際にどのくらいの速さで泳いだらいいかというのは、なかなか分かりにくいですね
とくにイーブンペースにしようと思ったはいいですが、どのくらいのペースで泳げば、平均した速度が出せるか分かりません。
でも、簡単な方法があります。
それは、ストローク数をかぞえることです。たいたいストローク数を同じにすれば、いつもペースは同じといえます。
レースとなると、ついつい頑張りすぎてしまい、前半抑えようと思っても、けっきょく飛ばしすぎて後半死んでしまいます。
ですから、こういうときに、ストローク数をかぞえると、ペースを調整するのに役立ちます。
*注意・・・ストローク数を少なくしすぎると、それもまたかえってエネルギーの消耗がはげしくなりますのでいつも泳ぐ基準からプラスマイナスするといいでしょう。
だいたいの場合、ストローク数が少ないと、ペースが抑えられ、多いとペースが上がります。
ですから、前半はストロークをいつも全力で泳ぐ数より、1つ、2つ多めの泳ぎでいき
後半にいくにしたがって、1つずつたしていけばいいでしょう。(イーブンペースの場合)
もちろん、最後の25mはストロークを数えずに全力で泳ぎます。
このペース配分をすると、しないでは0.5秒違いますから(小学生選手なら100mで2秒)、ぜひしっかりやりましょう。
戦略
ペース配分とは、ちょっと違いますが、どのように泳ぐかというのに戦略というのもあります。
それは、レースにはかけひきであり、これもタイムや勝敗に大きく影響します。
ですが、小学生のうちは、そこまで考えなくてもいいかもしれませんが、ひとついい戦略を紹介しましょう。
それは、ドラフティングという方法で、自動車レースでいえば、スイップストリームで、前を泳ぐ人にひっぱってもらう方法です。
これは科学的には、まだ証明されていませんが、前を泳ぐ人の引きの流れの領域の中で泳ぐことです。
話は違いますが、わたしは泳げない子の指導のときによく使います。
つまり、コーチが後ろに歩きながら、泳げない子供を補助しますが、そのときにできる自分の引きの流れを
わざと子供をその中に入れて、そのまま手をはなしします。すると子供は自分で泳いでいるかのように、流れで
わたしに引き寄せられて、泳いでいるように錯覚するのです。
この引きの流れというのは、かなり強くて、レースをするにも、このことを知っているなら、体力を使わずにして
前の泳者についていくことができ、最後に力を温存していますから、十分に速く泳ぐことが出来るのです。
知っていると、ちょっとお得な方法でした。
デメリットをひとつ・・・隣を泳ぐ人が速い人でないと使えず、コースの向こう端を泳いでいても使えません。
<自己暗示の必要性>
さてさて、レースに泳ぐペースも決めて、アップもして、いよいよレースに臨むというとき、
どのような姿勢で、のぞめばいいか考えましょう。
このモチベーションというか、気持ち次第で、レースは大きく変わるといってもおおげさではありません。
人によっては、気持ちだけで、1秒以上の違いは出てきますよ。じゃあどのように考えるといいでしょうか?
プラス思考
人はそれぞれ性格がありますね。自身満々の人や、オドオドしている人、まるっきり無関心な人、忘れている人などなど
レースで一番いい状態にもっていくには、適度の緊張感と、やるぞーという意気込みが必要です。
この緊張感は、ありすぎても少なすぎてもいけません。ちょっとドキドキがいいんですね
このドキドキも、これからやるぞーという裏返しにドキドキするならいいんですが、
どうなっちゃうんだろうというマイナス思考は、手足を収縮させ、いつものように泳ぐことができなくなります。
よく言いますが、試合は練習のように、練習は試合のように臨むのが一番です。
それが、プラス思考だと、すごくいい方向にもっていきますから、こういう思考回路をもつようにしましょう。
でも、性格的に、マイナスに考えるから、そんなプラスに考えることはできないという人に、いい方法があります。
自己暗示について
それは、自己暗示です。つまり自分で思い込ませてしまうということです。
「おまえは強い、いままでやってきたんだ、いまからのレースは楽勝だ」「この声援はみんな僕のためのものだ。オレは強い」などなど
とにかく、プラスのことを、何度も何度も頭の中で繰り返し唱えることにより、そういう気持ちになります。
なぜそこまでするといいのかというと、こういう興奮状態を自分で作り出すことによって、
副腎から、アドレナリンを分泌することができるからです。
このよく人間ののこりの部分は、使われずに終わっています。ですから、そこの部分を少しでも多く出すのに、この自己暗示という方法がいいです。
暗示をかけるのにコツは、なりきるということです。
ほんとに、効くのかな? という気持ちでやっていては、かかりません。でも、試合に真剣にのぞむ姿勢があれば、誰でもできます。
自己暗示する方法についてあげますと
・ 「お前は速い」となんども自分に言い聞かせる
・ すべての体毛をそる
・ 水着を新しいのにする
・ つめを伸ばす
などなどがあります。体毛をそったりするのは、水の抵抗を減らすためですが、ほんとうにそれで抵抗がへるのが目に見えるほどかどうか分かりませんが
でも、そういうことをしたということが、自分に「自分は普通の人より抵抗が少ない」という暗示をかけて、これも精神的にプラスに働きます。
つめを伸ばすというのも、そうです。伸ばしたからといって、掻く面積が多くなって、たくさん進むというわけではないですが
でも、精神的にプラスに働きます。
水着を新しいのにするというのも、そうですね。このために毎回のレースで新しいのにするのも、お母さんが泣けますが・・・
でも、すぐにできるのは、自分に言い聞かせる方法です。
ぜひ、あなたも次の試合でやってみてくださいね
<レース直前に注意すること>
さて、いよいよ召集がかかって、泳ぐ時がきました。 スタート台まで歩いてから、スタート台に乗るまでの
この時に注意することを書いてみます
保温
最高の泳ぎをしたいなら、体が、思うように動かないといけません。
そのために、いままでアップしたり、マッサージしたりしてきました。それでいざ泳ぐ時になって、また体が動かなくなるという事がないようにしたいです。
それには、まず保温に注意してください。体が冷えると、とうぜん間接や、筋肉の温度が下がり、動きにくくなります。
とくに召集所とか、暖房の聞いた場所ならいいですが、けっこう寒い場所で長時間またされるということがあります。
そういう寒いところに、じっと座っていると、すぐに体が固まってしまいます。
ですから、ウインドブレーカーや、コートなどを着ていてくださいね
もし多少動けるのでしたら、腿上げしたり、軽く走ったり、ジャンプしたり、背伸びしたりするといいでしょう。
じゃあ、そのコートはいつ脱げばいいかというと、だいたいのレースでは、スタート台の後ろにカゴが置いてありますから、
スタート台まで、コートは着て行って、泳ぐ寸前まで(名前の紹介のコールがアナウンスされるまで)着ていてもいいです。
柔軟
召集所で、長い間座っている、座っていないといけない場合も多いですね
コートなど着て保温しても、長く座っていると体が固まります。
ですから、いざ自分の番がきて、スタート台まで歩いていく時が、最後のほぐし時です。
ストレッチなどしたり、間接をよく柔らかくしてください。とくに歩いている間は、腕をまわしたりすることもしていいですから
とにかくすべの間接を動かすように、心がけましょう。
またコートを脱いで、スタート台に立つほんとうに少しの間でも、手首のストレッチしたり、している人をテレビで見たことがあると思います。
あれはただカッコつけいてるのではないので、自分も真似しましょうね。
とくに体が緊張して縮まっていることが多いので、背伸び系のストレッチなんかするといいですね
呼吸
さあ、スタート台にたつ直前です。
この時にすることは、深呼吸です。この深呼吸により、レース後半まで苦しくないというメリットがあります。
それはなぜか、説明しましょう。
スタート前に、いくら空気を吸っても、それは泳いでいる最中のたしにはなりません。すぐに息継ぎをしなくてはいけなくなります。
でも、ハイパーベンチレーションという、いわゆる過呼吸という種類の深呼吸は、レースにすごく生きてきます。
それは過呼吸をすることによって、血液中の二酸化炭素を減少させるからです。
それにより、選手はレース後半まで息をしようと思わなくなるんです。つまりぜんぜん苦しくないんです。
ためしに過呼吸してから、潜水をしてみてください。かるく50メートルは息継ぎしなくても苦しくないでしょう。(選手レベルの人)
息を吸いたくなるというのは、単に酸素が欠乏するからではなく、二酸化炭素がたまるので吸いたくなるのです。
ですから、泳ぐ前に、体の血液の中の二酸化炭素を、過呼吸で出すことにより、より楽に泳ぐことが出来るのです。
*呼吸自体、泳ぐときの抵抗になるので、できるかぎり息継ぎはしないほうが、速く泳げれます。
過呼吸(ハイパーベンチレーション)のやり方
簡単に言えば、深呼吸を何回かすることです。
肺の中の空気をすべてだし、そして、肺にいっぱいの空気を吸い込みます。それを5回~8回やります。
注意・・・やりすぎると、めまいや、ふらつきを起こします。そうなると泳げなくなりますので気をつけましょう。
ハイパーベンチレーションをはじめる時
スタート台のうしろに立ったらはじめます。
そして、スタート台にたってからもやっていてください。でも、回数が5、6回になったらやめます。
やめたあとは、息を止めることなく、ふつうの呼吸をしていてください。
そして、「よーい」の合図で、息を吸い込みスタートします。
呼吸をしたくなるまで、息継ぎはしなくて大丈夫です。呼吸しないほうが、速く泳げれるからです。
注意・・・この方法は、100メートルくらいまでのレースに有効です。長距離は呼吸のリズムが大切なので、この方法は使っても意味ないです。
<スタート台にたってから>
ピーーー!! さあ、いよいよスタート台にのるときが来ました。もうここまできたら、あとは飛び込むだけです。
頭が真っ白になっている人もいると思いますが、ところが、まて、まて、ここでやることがあります。そのへんを解説しましょう。
スタート台にのったら
合図があって、スタート台にのります。この時、まだスタート台に足をかけないで下さいね。注意されますよ
まずゴーグルのチェックをしましょう。
しっかりと顔とゴーグルが密着していますか?
ゴーグルのひもは、2本ある場合は、しっかり上下に分かれていますか? (1本の場合はやや上のほうに)
下のひもは、後頭部のまんなかあたりにしたほうがいい人もいます。そのほうが飛び込みでゴーグルがとれないからです。
上のひもは、後頭部の上のほうがいいですね。まあこれは自分自身が一番知っていますからね
あと、男子なら、パンツのヒモのチェックも忘れずに・・・
キャップの中に空気が入っていないかもチェック
もちろん、息は、ハイパーベンチレーションをしながら・・・ (やりすぎに注意)
スタートの構え
さて、スタートの構えに入りますが、注意するのは、「よーい」の合図があるまで、スタート台に足をかけてはいけません。
では、その前に、なにをしているのか、ここが大切なんです。
よくちびっ子たちのスタートを見ていると、ボーと突っ立っていますよね。あれはいけません!!
立っている姿勢から、「よーい」の合図で、いきなり、かがんだ姿勢になると、
血液の移動が起きるんですね。立ちくらみの反対なんですが、
これだとこれから激しく動こうという前に、余分な変化が体の中におきてしまいます。
そして血液の移動がおさまるまえに、「ドン」と鳴ってしまうので、あまりいいスタートができません。
ですから、服装のチェックが終わったら、スタートするときと同じ前かがみの姿勢になって、手をだらーんとして、待っていてください。
そしてスタートの合図を待ちます。
この待っている時、なにもスタート台の一番後ろにいなくてもいいんです。
うしろすぎる位置にいると、「ヨーイ」の合図で、よいしょっと、大きく1歩を出さないといけません。
足の短い人だと、2歩あるかないといけませんので、あせって、気持ちに余裕がなくなるので、すぐに動ける位置にいます。
ですから、「よーい」の合図を待つ間は、スタート台の足をかけるところより、10~20センチくらいうしろで待っていればいいでしょう。
そして、「よーい」の合図で、足をかけ、手をスタート台に持って、息を大きく吸い込み、
そして、「ドン」でスタートします。(ドンとは鳴らないかもしれませんが、ようはピストルの音のことです。)
フライング
この、「よーい」から「ドン」の時に、動いてはいけません。普通のスタートの人も、クラウチングスタートの人も、みんな静止します。
よくフライングは、飛び出さなければいいと思っている人がいますが、そうではなく
スタート台の上で、ピクリとも動いてはいけないのです。
そして、「ドン」と共に、スタートします。
この時は、ピストルの音を耳で聞くのでなく、体の皮膚全体で聞きます。空気の波動を感じるように・・・
研ぎ澄まされた神経で、このドンを聞いてくださいね。耳で聞くと、コンマ何秒か遅いそうです。
さーて、結果はいかに ?
以上、試合前に、考えられることをすべてまとめてみました。
ぜひ、試合前になったら、ここのページを読んで、いろいろあてはめてくださいね。
このページを読むだけで、1秒は違うはずです。
そして、このページのことをすべてあてはめてやれば、
あなたは完璧です!!
がんばってくださいネ