個人メドレーのバランスの見方

個人メドレーの選手は、だいたい4泳法ともバランスよく速い選手が選ばれます。

でも、その中に、得意な種目、不得意な種目というのがあり、それに応じて、勝負をかけるときが変わります。

バッタが好きな選手は、先行逃げ切りで、最初から飛ばすし

平泳ぎが好きな選手は、できるかぎりバッタで、エネルギーを温存し、平泳ぎで勝負をかけます。

フリーだけが、好きな人は、あまり個メの選手にはならないですね

個メの選手の強化方法としては、得意種目をより速くするという方法と、

逆に不得意種目をできるだけ速くする方法の大きくわけて2つ方法があります。

極端にどれかひとつが足を引っ張っているのなら、短所を治したほうがいいし

極端に、どれかひとつが速いなら、それを磨くことができれば、より面白いレースができるでしょう。

でも、自分がどの種目を力を入れなくてはいけないのか分からないといけません。

好きな種目だから、一番速いというわけではありませんので、計算して出さないといけませんよ

では、得意不得意の計算方式です。

まず自分のタイム(個メ)を÷4します。つまり1種目あたりの平均を出すんですね

そして各種目のラップタイム÷1種目の平均タイムで、比が出ます。

つまり、個メの全体のタイムを  4 として、各泳ぎが、どのくらいの比で泳いでいるか見ます

全部同じタイムなら、1+1+1+1=4 ということになります。

世界選手権、オリンピック、など一流の個メの選手の統計をとってみると

一定の範囲の中に比が入るので、それを基準値として、自分の泳ぎと比べてみるのです。

 

各種目のラップタイム ÷ ( 自分の個メのタイム÷4 )
基準の比

バタフライ 0.88
背泳ぎ 0.99~1.03
平泳ぎ 1.14~1.16
クロール 0.93~0.97

 

 

 

 

 

 

この上記の表の値と、自分の個メのラップタイムの比とくらべて、値が小さいのが速い種目です。

逆に、比の値が大きいと、遅い種目ということになります。

例えば、ある選手のタイムを計算してみましょう。2個メのタイムが、3分14秒です。

各泳ぎのラップタイムが、順番に、42秒、1分、51秒、41秒だとすると下記のようになります。

A選手の比の計算

種目 基準の比 A選手

A選手の比

コメント

バッタ 0.88 42秒 0.87  バランス的には、いいタイム
背泳ぎ 0.99~1.03 1分 1.24  背泳ぎがにがてですね。
平泳ぎ 1.14~1.16 51秒 1.05  平泳ぎが速いですね
クロール 0.93~0.97 41秒 0.85  最後も頑張れているようです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな感じになりますね。この比の表から分かることは、このA選手は、背泳ぎが苦手で、平泳ぎが得意です。

2個メの3分14秒を基準にして考えると、背泳ぎは、49秒前後で泳がないといけません。

ですから、背泳ぎを強化すればいいと思いますが、でも分析は、ここらか始まります。

このA選手は、クロールが基準値の比より速く泳げていますね。ということはまだ余力があるということです。

クロールはすべての泳ぎの基本であって、クロールを中心に考えないといけません。

クロールのタイムで、その選手がだいたいどのくらいの体力・レベルなのか分かるのです。

ですから、クロールを41秒で泳げれるなら、他の種目を、どのくらいのタイムで泳げれるのか計算できます。

クロールのタイム÷0.93~0.97=平均タイムですから、

A選手はクロールの基準の比の0.97で計算すると、44.1が平均になります。

ですから、基準比×平均タイム=理想タイム になります。

A選手の理想タイム 

種目 基準の比 A選手

A選手の比

コメント

バッタ 0.88 42秒 0.87  バランス的には、いいタイム
背泳ぎ 0.99~1.03 1分 1.24  背泳ぎがにがてですね。
平泳ぎ 1.14~1.16 51秒 1.05  平泳ぎが速いですね
クロール 0.93~0.97 41秒 0.85  最後も頑張れているようです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A選手の理想の2個メのタイム・・・2分53秒(上の各種目の合計)

このA選手は、現在2分53秒で泳ぐ力を、すでに持っているという事が分かります

理想タイムの計算と、実際に泳いだ各種目のタイムと比べて分かることは、

クロール、平泳ぎは、理想タイムに近いですが、バタフライ、背泳ぎは頑張らないといけませんね

逆に言えば、バタフライと、背泳ぎは、まだ、どこかフォームがおかしてくタイムが出てないということが分かります

つまり、泳ぎこみとかしなくても、体力的には、この理想タイムが出るはずという事になります。

ですから、バタフライと背泳ぎを、まずフォームを治す課題が見つかりしました。

このようにして、個メ選手が、どの種目に力を入れていいかは、比の計算で分かるのです。

個メのラップタイムでなくても、個々のタイムでも、この比の計算の応用はできます。

その基準値を下の表に書いておきますね。あとは、上の計算と同じようにすればいいのです。

別々に計った場合の基準の比

 

バタフライ 0.9前半
背泳ぎ 1.0
平泳ぎ 1.1~1.3
クロール 0.9以下

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