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クロール

 

水泳の3大原則   (トップスイマーも初心者も同じです。)

 

①しっかり浮く…水に浮くことは大切です。速く泳げば泳ぐほど大切です

②しっかり掻く…水を掻かないと前に進みません。しっかり掻きましょう

③抵抗を少なく…水の抵抗をなるべく少なくすることも速く泳ぐのに大切です。

 

そして、クロールは4泳法の中で一番基本的な泳ぎです。。。そしてすべての泳ぎの基礎になります。

また、完璧な泳ぎは存在しません。そして泳ぐ人によっても、どの形がいいのかは違います。

ですからいろいろ試して自分の泳ぎを見つけるのが大切です。

でも、すべての形に共通しているのが、上の三大原則です。

よーくチェックしましょう

 

キック編

クロールのキック(バタ足)は、非常に難しい技術です。これは一朝一夕でなかなかできるものではありません。

子供たちの生徒を見ると、ただ進むだけのキックなら、ものの1ヶ月もすれば進めれるようになりますが、

でも、しっかりと腰の入った、グイグイ進むキックとなると、何年もかかります。

選手育成コースくらいでも、ほとんど出来ていないといってもいいでしょう。

では、どういう形のキックなら、しっかりと進むのでしょうか

理想は、ムチのようにしなるようなキックができるといいですね。

一回、一回、キックするたびにグイグイと進むのが分かるような、そういうキックが打てれるといいでしょう。

これは単に、速く打てばいいというものでもありません。キックのお手本は、お魚さんです。

 

<足首>

このお魚のようにキックするには、まず大切なのは足首の柔らかさです。

つま先をまっすぐにして、足首が伸びきった状態でも、つま先が立ってもいけません。

ブラブラにしていましょう。もし足首が立っている(曲げている)ようでしたら、それは力が入っている証拠です。

このブラブラ状態がうまくできているかどうかが、キックが速いかどうか決まるといっても過言ではないでしょう。

 

<膝>

膝は、曲げてキックしてはいけません。

曲げてキックすると、推進力は下のほうに向けられ、ただ水ばかりが激しく飛び散るようなキックになってしまいます。

もしキックの練習をしていて腿とかが痛くなるようでしたら、それは膝を使いすぎています。

では、膝はまっすぐにしていなければいけないか、というと、それは違います。

言葉で表現すると、微妙に曲がっている? やや曲がっている? という感じでしょうか

でも膝を意識して、曲げてキックはしません。あくまでもキック全体の中で微妙に曲がるという感じでしょう。

 

<腿>

ではキックは膝で蹴らなければ、どこでキックするのでしょうか?

それはキックは腿から動かします。それが一番、重要なんです。

腿から動かすというと、なんかロボットみたいな感じがしますが、ロボットのようにキックするのではなく

ムチのように、しなるようにキックします。

つまり、キックの動きは腿から始まり→膝→足首へと、しなるように連動してキックします。

ですから、たくさんキックの練習をするとお尻の筋肉が痛くなるはずです。

それだと正しいキックをしていることになるでしょう。

 

<腰>

野球でも、だいたいのスポーツは、腰が重要です。このキックも腰の動きが大切になってきます。

キックは、腿から蹴るのですが、それに腰が加わると、さらにスムーズにしなるキックを打つことができます。

腰をどのように使うがいいかというと、腰を入れることです。

つまり、腰が引けたような状態では、しっかりと力の入ったキックはできません。

へっぴり腰ではダメという事です。でもそうやってキックしている人が多く見られます。

まずは、腰を入れることをしっかり頭に入れておきましょう。

キックが上手な人と、そうでない人の違いは、まさにこの腰の使い方といってもいいくらいです。

キックの時の各部の動きをまとめてみましたが、

これが上手にできているかの確認方法は、腰掛けキックをする分かります。

プールサイドに座って、ばた足をした時に出る泡で確認できます。

もし小さい噴水のように、こんもりしたような泡が出るならいいでしょう。足首がうまくブラブラになって働いています。

でも、まわりに水が飛び散ってるような感じなら、足首が伸びきって固くなっている証拠です

逆に足首が曲がっていたりすると、水面上に自分のつま先が見えるので、これもよくないです。

上手なキックをすると、足が水面よりも上に出た時も、水が足の上を毛布のように覆っています。

そのようになれるまで、腰掛けキックをたくさん練習しましょう。

すぐに泳ぎたいのも分かりますが、

鈴木大地(元オリンピック選手)のコーチも、この腰掛キックにたっぷり使って練習をしたようです。

大学生のバリバリの人でも、たくさん腰掛キックするのですから、

キックができない人は、さらにたくさんやりましょう。

まとめキックは、膝ではなく、腿から動かして、ムチのようにしなるキックをするようにしましょう。

 

<上級編>

キックをより速くするための方法  *注 初心者がしても速くなりません

● 足の角度を変えてみる

キックで速く進むためには、一度にたくさんの水を動かす(蹴る)ことが大切です。

そのためには、速く動かすというのも一つの方法です。ゆっくり動かすよりも速く進みます。

水をたくさん蹴るための、もう一つの方法は、足の角度を変えてみるのも、いい方法です。

Aの足の角度と、Bの足の角度を比べてみると、Aのように縦に足を動かすよりも

Bのように、内股にして、キックするほうが、一度に動く水の量が多くなり

それだけ推進力が増します。

ただ、この方法はいきなりやると、足首の筋が伸びたりして痛みが生じます。

いきなり、この方法で長距離泳ぐのでなく、柔軟したり、足首周りの筋肉を強化したりして

徐々に慣れさせていくといいでしょう。

● キックの軌道を変えてみる  ( Z軌道キック )

同じく、キックにより動かす水の量を増やす方法として、キックの軌道を変えてみるのも一つの方法です。

ただ単に足を上下に動かしていると、その足のある部分だけの水が動かせれるだけです。

ですが、上下に動く道を少しずらしてやれば、より幅のある水の部分を蹴ることができるので、推進力が増します。

ただZの軌道で動かすと、左右の足がぶつかりやすくなってしまうので、3本の棒をイメージしてするといいでしょう。

3つの部分を順繰りに蹴るという感じです。ですから、蹴る幅は広くなります。

あんまり広げすぎてしまうと、腰から下が暴れているような泳ぎになります。もちろんそれでは不必要な波を立てることにもなり

左右のブレが抵抗を生み出してしまうので、やりすぎはダメですよ。

この方法は、かなり慣れが必要で、上級者になってからトライしてみてくださいね。

 

●腰を入れて、腰の動きと連動させてキックする (ローリングとの組み合わせ)

ただ腿の力のみで、キックするよりも、腰の動きを連動させて、その動きが足まで伝わるようにすると、より質の高いキックが

できるようになります。

どのスポーツでも、そうなんですが、腰を入れてするほうが、より力を入れることができます。

野球のバットを振るときも、ただ腕だけで回すよりも、まず腰を回して、それに連動してバットが出てくるほうが、よりパワーが出ます。

クロールのキックも、同じで、まず腰がグッと入って、それからキックへと連動する動きができると、より質の高いキックが生まれます。

その腰を入れる動作というのを、ただ何の動きもないところに、いきなり腰を入れるというのも、難しいので、

ローリングを腰を入れる動きのきっかけとして使うといいでしょう。

  そして、このキックを作るには、姿勢が重要です。腰が浮いている状態では、このキックは作れません。

やっぱり、ここでも基本中の基本であるストリームラインができているということが第一条件です。

数字は、動かす順番です。キックと腕の入水はあわせます。

 

プル編

プルとは、手の掻きのことです。このプルには、

ストレートプルC字プルS字プルの3種類あります。

どれがいいかは人によっても違いますが、段階的に①~③へステップアップするのがよいでしょう

最初から、S字プルとかを小学生低学年や、初心者にさせるのは、よくありません。グニャグニャの泳ぎになってしまいます。

また、必ず最後はS字プルにしないといけないわけでもありません。

自分でやりやすいような形の②でとめておくのもいいでしょう。

 

 

①ストレートプル

①ストレートプル

②C字プル

②C字プル

③S字プル

③S字プル

● ストレートプルのやり方  

一番最初に習うクロールのプルは、ストレートプルというものです。基本中の基本ですから、しっかり習いましょう。

指、肘、腕を、まっすぐにして掻きます。手のひらはしっかり伸ばして、しっかりと腿まで、水が掻けるようにしてください。

この時の注意点は、手首が曲がってしまうことです。つまり水をなぜるような形になってしまう場合が、多々あります。

水を掻くということは、とても抵抗がかかります。子供たちの場合だと、まだ力がないので、掻くスピードに対して

手首が水の抵抗にまけて、手首から曲がってしまいます。また速く泳ぎたくて、ぶん回しする子もいますが、そういう掻き方では

とても手首がもたなくて、水をなぜてしまうので、ぶん回しはいけません。自分の手首が耐えれるスピードで掻くようにしましょう。

● ストレートプルの欠点

ある程度、スピードを出すことができるようになったら、ストレートプルから卒業しないといけません。

子供でしたら、クロール50m45040秒くらいになったら、ストレートプルはやめましょう。

なぜストレートプルがいけないのか、その欠点について説明しますね

まっすぐに掻いた場合、手のひらの向きは、A地点は下に向かっています。ということは、水を下に押しているだけで進みません

C地点も、手のひらの向きが上に向かって掻くことになるので、進みません。したがって、B地点しか前に進む力が生まれないわけです。

しかも、このB地点も欠点があり、体から離れている場所を掻いています。体から離れている場所に力を加えると素直に前に進む力ができません。

力は腕を伝わって、体に到達するので、円運動をしようとしてしまうからです。

ですから、B地点で一生懸命掻いても、実際に掻いている力よりも、少ない推進力しか得られないのです。

それなので、しっかり前に進むためには、なるべく体の近い場所を掻くほうが、速く泳げれるわけです。

ですから、ストレートプルは初心者のみがするのであって、速く泳ぐ場合は、C字プル、S字プルを覚えないといけません。

●では、ちゃんとしたプルについて説明します。(主にS字プルの説明です)

プルは、どの形でも基本的に、できるだけ遠くに手を入れて、できるだけ遠くから出すというのが一番いい形です。

プルには、大きく分けて、5つの部分があります。

  1. キャッチ…手を入水する 
  2. プル…引く
  3. プッシュ…押す
  4. プルアウト…水から手を抜く
  5. リカバリー…腕を前に返す動作

このそれぞれのポイントと気をつける点について説明します。

 

<キャッチ>

キャッチとは、手を水に入れることを言います。または手のひらで水をつかむことも言います。

キャッチは、人差し指から入水し、約5センチ水面下に入れます。中指でないことに注目してください。

中指のほうが長いので、中指から水に入ると思いますが、人差し指から入るのが正しいでしょう。

つまり微妙に手のひらが外側へ傾いています。このほうが一番、抵抗が少なくて入水できるのです。

中指から入水すると、手のひらは平らに入水して、そうすると手の甲で水を押すことになり、

そこで抵抗が生まれてしまいます。でも傾けることにより、上手に水を手の甲から逃がしますので、抵抗は減ります。

でも深く入水しすぎると、これも抵抗を生んでしまいますし、プルの距離が短くなって損してしまいます。

ですから、だいたい水面下5センチくらいがちょうど良いでしょう。

では、手を水面に浮かべた状態はどうかというと、水際が一番抵抗がかかる場所なんです。

ですから、それよりも水面下のほうが抵抗は少ないので、だいたい5センチがいいでしょう。

それより浅いと水から出る危険があります。

一番、抵抗が少ない場所は、もちろん、空気の上です。でもそれではクロールで掻いて進むことは出来ません。

また、このキャッチの際に、泡をつかまないようにしましょう。泡も抵抗を生むものだし、しっかりと掻くことが邪魔になります。

でも泡は、どんなに上手に入れても、まず指先に付いてしまいます。それにはどうすればよいかというと

手を入水した瞬間に、かるく外へふると泡が切れます。言い方を変えると、手を入水したら、しっかりと手を前に伸ばします。

そうすることによって泡は切れるし、前にしっかりと伸びることができるので一石二鳥です。

では、どこまで伸ばしたらよいのでしょうか?

自分の腕をふたつ前に伸ばしてください。左右の手は同じところにあると思いますが、これはただ腕を伸ばしただけです。

クロールのプルの基本は、できるだけ遠くに入水することですから、この伸ばした状態から、さらに肩を前に入れます。

そうすると左の手よりも、さらに右の手のほうが前に伸びることが分かるでしょう。

このように、めいっぱい肩から腕を伸ばして入水しましょう。

この伸ばすときに注意があります。

それは、必ず入水した地点から、まっすぐ前に伸ばすということです。

最低でも、体の中心線よりも内側に入って伸ばしてはいけません。

もし中心線よりも反対側に入って伸ばすと、それだけで水の抵抗を受けます。

またその位置からプルを開始すると、その反対側から、またこちらのほうへ戻ってくるので、

その部分が逆噴射しているようになり、かえって抵抗を自ら生んでしまうことになります。

<左右の手のタイミング>

左右の手を一度前でかさねてから掻く泳ぎをグライドクロールといいます。これは初心者の泳ぎ方です

それに対して、左右の手をバラバラにして動かす泳ぎ方を、コンティニアンスクロールといいます。

これは上手な人の泳ぎ方ですし、この泳ぎ方でなければ、けっして速いタイムで泳ぐことは出来ません。

では、左右の手のタイミングは、どのくらいがベストなのでしょうか?

右手を掻く場合、左手がどのへんに来たら掻けばいいのでしょうか?

 ストレートプルの場合、左手と右手の間隔が、頭一個分くらいの幅になったら、右手を掻き始めましょう。

(左手を掻く場合は、この逆です)

このタイミングで掻き始めると、ちょうどリカバリーしていた左手が入水して伸びるときに、右手はプッシュの段階に入ります。

そうなると伸びる力と、プッシュする力が重なるので、ぐーんと伸びのあるクロールが泳げれるようになります。

これを力の合力といいます。ふたつの力が重なると、さらに大きな推進力が得られるのです。

でも、細かいタイミングとかは、人によって違いますから、いろいろ試してみて自分にあったタイミングをみつけましょう。

S字プルの場合は、細かく言うと複雑になってしまうので、次の1点のみ注意するといいです

それは、プッシュの時に、反対の手が入水するということです。これも力の合力を利用するのですが、

S字の場合、いったんキャッチで外側に掻くので、その時間差を作るために、反対の手がリカバリーするときには、

プルは動き始めないといけません。でも、バラバラになりやすいので注意しましょう。

 

 

<プル>

 

プルとは、日本語で引くという意味ですが、キャッチによって入水した腕を、こんどは胸元まで水を引く動作のことをいいます。

この引く時に、しっかりと力を入れるようにするには、肘をしっかりと高い位置にキープ(ハイエルボ)する必要があります。

どこか高い塀によじ登るときに、肘が下がっていては、力が入りません。

別の例えをすると、跳び箱で腕をつくときに、肘がしっかりと外へ出てないと体を支えることができないでしょう。

水泳ではうつぶせに寝ている状態なので、手よりも肘の方が高い位置にあるのがいい形でしょう。

肘を閉じるようにすると、肘のほうが手よりも深い位置、低い位置になってしまいます。

このプルの軌道は、できるだけ体の近くを掻くようにしましょう。

でも、体から離れた横のほうを掻いてしまうと、左右に蛇行してしまう泳ぎになってしまいます。

また深い位置を掻きすぎてもいけません。手が深くなるまでの軌道は、推進力を生まないばかりか、抵抗を生むことにもなります。

またストレートプルの場合は深く掻いてしまうのがその形なのですが、それがこの形のデメリットといえるでしょう。

 

<プッシュ>

 

プルが終了して、手が胸元まできたら、こんどはプッシュの段階に入ります。フッシュとは、文字通り押すということです。

このプッシュという段階をやっていない人が非常に多いです。また疲れてくるとおろそかになる部分ともいえるでしょう。

クロールの基本は、できるだけ遠くから出すということですから、この段階を見逃してはいけません。

プッシュをしていない人は、手が水から出るときの位置を見ると分かります。

もし、わき腹から手が出ているようならプッシュしていないです。

プッシュは、胸元から水を押すようにして腿に親指があたるまで掻きましょう。

疲れてくると、だんだん腿にあてるのが辛くなります。でもここを省略してはいけません。

多少、ピッチは遅くなるかもしれませんが、いつもしっかりと腿に親指が触るように、しっかり掻ききりましょう

(腿に親指は必ずしもあたらなくてもいいですが、そこまで必ず掻くということが大切です。)

プルの場合は、ハイエルボをしていますが、プッシュは肘を伸ばす動作といってもいいでしょう。

ですから、プッシュ終了時は、肘は伸びきった状態になっているはずです。

そして、プッシュ終了時は、手のひらは上を向いています。

プルからプッシュの移行には、スムーズに行いましょう。腕が途中で止まることがないようにします。

ちょうどお腹の下を掻いているころ(プルからプッシュ移行時)は、むしろ加速するような感じで意識して泳ぐと良いです。

またプルからプッシュ移行時は、体の中心線上で行います。それからそれている場合、蛇行した泳ぎになってしまいます。

このプッシュをしっかりできているかどうかによって、タイムがかわってきます。

よくダッシュとか見ていると、プルだけがんばって掻いている人がいますが、プッシュをしないと意味ないでしょう。

<プルアウト>

 

プルアウトとは、手を水から抜くことを言います。

そんなのは、ただ水から手を出せばいいという思いがちですが、ここにも気をつけることはあります。

理想的なプルアウトは、手を水から抜くように出すことです。

プッシュによって、肘が伸びきります。その時には、手は水面下5センチくらいのところでプッシュが終了しますので

その位置から手を抜く作業をしなくてはいけません。

やり方は、肘を上方に引き上げるようにして手を抜きます。

これが一番、抵抗がなくて、スムーズな動きをする理想的な形といっていいでしょう。

初心者の場合は、まだこのあたりは気にしなくてもいいでしょう。

以下に、よくある間違ったプルアウトについて説明します。

〇手を水から出した後、水が後ろに飛ぶ人

   これは、プッシュがしっかりと完了しないうちにプルアウトしている形の人です。

   水が後ろに飛ぶということは、空中を掻いているということになります。これではもったいない掻き方です。

   空中をいくら掻いても進むことはありません。しっかりとプッシュを終了してからプルアウトしましょう。

〇プルアウトで水を前に引きずって、波が立つ人

   これは、プルアウトとリカバリーをいっしょにしている人で、自分の手が水の中にあるのに手を前に帰すため、

水をひきずります。これでは、その引きずる行為が水の抵抗を生み、

せっかく掻いて生まれた推進力を減退させてしまいます。

   あせらなくてもいいですから、しっかり手を抜いてからリカバリーしましょう。

   治すには、もうすこし肘を高い位置に引き上げるようにするといいでしょう。

〇プルアウトしたとき、手を抜かずに、水を持ち上げてしまう人

   これはストレートプルのプルアウトです。初心者がしている泳ぎです。

   でも、水を上に持ち上げてしまうということは、上に向かって掻くことになるので体を沈めようとしていることになります。

   そのことによって抵抗を生み、タイムロスになりますので気をつけましょう。

   初心者のうちは、ゆっくり泳いでいるのでこのことは気にしなくてもいいです。

このことよりもしっかりと腕を回すことに気をつけましょう。

 

<リカバリー>

 

リカバリーとは、手を前に戻す動作のことです。

リカバリーをする時は、できるだけ低い位置で体の近くをとおって前に戻しましょう。

やり方は、やはり肘を高い位置にキープするようにして腕を持ち上げ(ハイエルボ)、

それから前に肩を回しながらもっていきます。

リカバリーの練習では、一度、手を脇にタッチしてから、前に腕を運ぶと、正しいハイエルボの形が身につきます。

〇初心者の場合(ストレートプル)は、そのまま腕を高く持ち上げて前に運ぶわけですが、

   その際、手のひらをゆっくりと回転させながら運びましょう。そして前に伸ばしたとき手の平が下に向くようにしましょう。

〇手を高く上げるリカバリーの欠点

   腕を伸ばしながら手を高く上げて前に戻すやり方は、手を上げることにより重心が高くなります。

   重心が高いということは、体が沈みやすくなりますので、泳ぎの3大原則の①しっかり浮くに反します。

   そうするとスピードがにぶりますので、リカバリーはできるだけ低い位置で、体の近くをとおるように心がけましょう。

 

<リカバリーと呼吸のタイミング>

 

さて、このリカバリーにもう一つ重要なことをしないといけません。それは、呼吸動作です。

呼吸は、いつ始めて、いつ終わったらよいのでしょうか?

理想的な形は、リカバリーが始まった直後に顔を上げ始め、手が顔の前を通過するときに頭を入れます。

もちろん、呼吸の初期動作は、ローリングにともなって行いますので、呼吸を始めようと動作を起こすときは、

手が胸を掻いているあたりから、息継ぎする準備をしてください。つまりプッシュを呼吸動作できるように行います。

そうすると、実際に、息をする時は、リカバリーの手があばら骨あたりを通過する時になります。

初心者に多い失敗ですが、息継ぎが遅すぎて、手がキャッチする間際になっても、

頭が上がっていると、大変苦しい息継ぎになります。

なぜなら、手が戻ってきた時に発生した波が顔にかかり、水面が非常に不安定な時に息継ぎになります。

また、手がキャッチしようと下ろされて来るので、顔を上げているスペースが非常に不足します。

こういう状況は、息継ぎで顔をあげる方向が前に向きすぎの場合が多いです。

その息継ぎに関しては、息継ぎの編でくわしく述べます。

では、正しい位置で息継ぎをするとどのように楽に息ができるのでしょうか?

呼吸をわき腹0わきにかけて呼吸している間の顔の前の水面の状態は、

ちょうど頭に水があたって、口のところに、水のくぼみができます。

つまり、ちょうど息がしやすいように水にくぼみができるので、

さらに頭を上げなくても、そのくぼみで息をすることが出来るのです。

 

ピッチ編

 

キャッチ→プル→プッシュ→プルアウト→リカバリーの一連の動作と左右のコンビネーションが合わさって、1ストロークができます

さてピッチをよく速くしようと努力している人がいますが、ピッチを速める上で気をつけることがあります。

それはただ速く掻けばいいというものではありません。しっかりとキャッチから始まる5つの動作をやって速めるのです。

この5つの動作をしっかりやると、見た目には、そんなに速く掻いているようには見えないはずです。

見た目に、とても速いピッチの人は、だいたいがプッシュを省略しています。

これではただ波を起こしているだけで、ぜんぜん速くありません。

また、速く泳げる人ほど、ピッチは遅く見えます。それでいてとても速いのです。

オリンピック選手とかの泳ぎを見ると、とてもゆっくり掻いているように見えます。でも速いのはどうしてでしょうか?

それは1ストロークで進む距離が長いからです。これが長ければ長いほど泳ぐのに有利に働きます。

5ストローク泳ぐ選手と同じ距離らを3ストロークで泳ぐ選手では、ストロークが少ないほうがロスが小さいのです。

ですから、5つの動作をしっかり動かして、少ない掻き数で泳げれるように練習しましょう。

その上で、ピッチを速くする練習が生きてくるのです。

まとめしっかりと掻くことが重要で、ピッチはそのあと

 

呼吸の仕方編 

 

 

<息継ぎはどのように吸って吐くのか>

 

   息継ぎは、どのようにするのか?

  よく初心者は、息を吸おうと努力しますね。でも、がんばって吸おうとしても苦しくてしょうがないでしょう。

  それもそのはず、息をたくさん吸おうと思っても、肺の大きさ以上には、吸えないからです。

  そうです。息を吸おうとしても、息をまず吐かなければ、新しい空気は吸うことができないのです。

  そんなこと、当たり前と思う人もいるでしょう。でも、これが意外とできないんですよね。

  とくに初心者で、あせればあせるほど、吐くのを忘れて、どんどん空気を吸おうとします。これを過呼吸といいます。

  この状態になると、苦しいし、だんだん手足がしびれてきます。そして頭がフラフラになってしまうんです。

  ですから、まず息継ぎで大切なことは、吐くということを意識しましょう。

  人間は、考えなくても息は吸えます。ですから、吐く事を一生懸命に考えてやりしまょう。

  では、どように吐くのかというと、ただ普通にフーと吐いてもいいです。でもいろいろなバージョンがあります。

  自分にあったタイプを選んで試してみましょう。

    ①1、2、ブク、ブク、パー、(吸)、1、2、ブク、ブク、パー、(吸)……。

       最初の「1、2」は、息をとめます。それから「ブク、ブク」で、少しづつ息を吐き、最後に「パー」で勢いよく吐きます。

    ②ブク、ブク、ブク、パー、(吸)、ブク、ブク、ブク、パー、(吸)、……。

       顔を水につけたら、少しづつ息を吐きつづけます。そして最後に「パー」で勢いよく吐きます。

    ③1、2、3、パー、(吸)、1、2、3、パー、(吸)、……。

       顔をつけている間は、息を止めています。吸う少し前にいっきに息を吐き出します。

  息を吸うことと、吐くことは、同じ時間すると、吐く方が少ししか吐けません。

  ですから、③のような息継ぎをしていると、だんだん古い酸素が溜まっていき、だんだん苦しくなります。

  この最初の①と②のように、息を最初、少しづつ吐くということをすれば、しっかりと息を吐ききることができ、

  次の息継ぎで新しい空気で肺を満たすことができます。

  気をつけることは、最後に「パー」と息を勢いよく出す分だけ残しておくことです。

  それがないと、全部ブクブクで吐ききってしまうと、

  息継ぎする前に顔についた水を飛ばすことができず、水を飲んでしまいます。

  ですから、顔の前の水を飛ばすだけの空気を残して、ブクブクしましょう。

  では、③の息継ぎの仕方は、駄目なのかというと、そうでもありません。この息継ぎにもメリットがあります。

  それは、空気を吐く直前まで肺に貯めているので、浮力が最大限に得られるということです。

  つまり肺のおかげで、しっかり浮いていることができるので、短距離に向いているといえます。

  それを考えると、①の息継ぎの仕方は、早くから息を少しづつ吐くので、

  浮力が一番えられず沈みやすいというデメリットがあります。

  総合して考えると、②の息継ぎの仕方が一番いいと、私は思います。

  でも、これもやりやすいとか、合う合わないということもあり、人によってベストが違いますので、

  自分のやりやすい形が一番でしょう。

 

<息継ぎをする時は、どこへ向けばいいか>

 

  クロールの息継ぎは苦しい人が多いようですね。

  それは案外、人間本来もっている本能から生まれる欠点が原因になる場合があります。

  普通、人間は空気というのは水の上にあると思っていますよね。あたりまえですが・・・。でもクロールの場合は違うのです。

  なぜかというと、顔の構造の問題です。口というのは、だいたいの人間は、顔の下の方にありますよね。

  そして水の中で息継ぎをしようとすると、普通、上のほうに向くと思います。

  そうすると、まず眉毛が水から出て、次に目が出て、鼻が出て、そして最後にやっと口が出てきます。

  このようにすると、口で息を吸うには、たくさんの顔の部分を水の上に出さないと口までいけません。

  でも泳いでいる時は、浮力以上の部分は、水の上に出すことは出来ないので、この方法だと問題があります。

  つまり、口をいくら前に持ち上げようとしても、目や鼻が先に出るので、口を出すまでに時間がかかり、

  苦しいクロールのできあがりです(1図)

  しかも頭部を先に水の上に持ち上げることになるので、頭のように重たいものを水面に上げると、当然体は沈んでしまいます。

  逆に顔の反対から水の上にあげていくと、まず最初に水面に現れるのが口が出てきます。それから鼻、目と…。

  ですから、息を吸う方向を斜め下から頭を傾けて息を吸うようにすると (脇の間を見るように)

  最初に口が出てくるので、もうそれ以上は頭を水から出す必要もないし、重たい頭はまだ水の中のままですから、

  浮力的にも無理がありません

  ですから、息がとてもしやすくなります。

  それなので息継ぎは、斜め下を見る感じですると楽にできるでしょう。(2図)

[図1]

[図1]

[図2]

[図2]

 

<息継ぎの回数>

 

クロールでの息継ぎは、何回掻いてからするのがいいのでしょうか?

答えは、自分がやりやすい回数でするのが一番いいというのが、答えです。読んでいて、がっくりきていましたら、すみません。

でも、それぞれメリットとデメリットがありますので、ご自分で検討して、自分にあった形を見つけてください。

〇 1/2呼吸 (2回掻いて1回呼吸)

   これは一般的に多くのスイマーがしている泳ぎです。右か左か一方の方向だけを毎回、向いて呼吸する方法です。

   メリット…息継ぎが多い分、苦しくなくて、とても楽な息継ぎの方法と言えるでしょう。

   デメリット…① 呼吸というもの自体は、泳ぐときの抵抗を増やすものです。

            ということは呼吸をすればするほど遅くなるわけです。

         ② 片方ばかり呼吸していると、いつも呼吸動作のたびに、

            片方ばかりに、ローリングをやや余分にしたり、

            顔をあげるため、左右のバランスが崩れ、偏った泳ぎになります。

            また掻く距離にも左右に微妙に差が出るため、まがりやすい泳ぎになります。

〇 1/4呼吸 (4回掻いて1回呼吸)

   メリット…① 1/2よりも左右のバランスが良い泳ぎができる

        ② 回数が減る分、それだけ抵抗が少ないので、速く泳ぐことができる

   デメリット…苦しい!!

〇 1/3呼吸 (3回掻いて1回呼吸)

   メリット…① 左右対称の泳ぎができる。

        ② 1/4呼吸よりも、苦しくない

        ③ 不測の事態に対処しやすい(隣から波がかかったら左から右呼吸へと変えれる)

   デメリット…ちょっと難しい。習得するのに時間がかかる(左右の呼吸をマスターするため)

スイミングによっても、1/3のところと、1/2のところがありますし、オリンピックでもいろいろな息継ぎでしています。

わたしの意見としては、1/3をおすすめします。

教えていて気が付いたのですが、1/2の選手よりも、1/3の選手のほうが、呼吸時の傾きが少ないように思いました。

つまり1/2のほうが無駄に傾きやすいということでしょう。でもこれは練習によって治すことができます。

 

キックとプルのタイミング編  (中級者以上)

 

プルとキックのこの二つは、とても関係があります。ただ単にバラバラに動かしていても速い泳ぎは出来ません。

プルとキックがうまく合うと、推進力がとても増大します。それにはプルのどこでキックするかが大切です。

バラバラだと掻いてもなかなか進まない症候群におちいってしまいます。

キックは、通常6ビートです。つまり1ストロークの間に6回キックを打ちます。

そのうち2回のキックがローリングのおかげで腰の入ったキックをすることができます。(キックの編・腰を参照)

その強く蹴れる2回とプルと上手にあわせましょう。

なぜ合わせることが大切なのかというと、キックとプルの推進力をそれぞれ1として、別々に行った場合1+1=2となります。

でも、キックとプルの一番進む力が出るときに、同時にあわせて行うと、1+1=3以上の効果を発揮するのです。

このタイミングが合っているとき、泳いでいる人は、すごく伸のある泳ぎが出来ていると感じます。

では、プルのどの時点でキックしたらよいかというと、それは手を水に入れる瞬間にキックします。

別の言い方をすると、手が入水して伸びをしているときに、キックをします。

手が前に来て伸びるときは、リカバリーの勢いも手伝って、体を前に進ませる力が生じます。

   これを実験することができます。コロのついた椅子に座って、クロールの手の動きをしてみてください。

   前に腕を勢いよく伸ばしたときに、コロの椅子が前に進むはずです。この伸びる力を利用します。

さらにこの手が水に入る瞬間というのは、反対の手はプッシュの段階にも入っているので、推進力は、

1+1+1になり、さらに伸びのある泳ぎが出来ます。

〇このタイミングを習得するのに、2ビートクロールがあります。

この泳ぎはよく長距離の選手が使う泳ぎですが、この泳ぎ方でキックのポイントを体にしみこませます。

そして通常の6ビートクロールに直した時にも、手を水に入れる時にキックができるようにしましょう。

注…手を入れる瞬間とは、入水した手が伸びている時のことで、掻きはじめた時ではありません。

  掻き始めにキックすると、体のバランスが崩れます。

  ですから、しっかりと前に手を伸びているときに、キックをするようにしましょう。

よくある質問に2ビートクロールの時、右手で入水時にキックは左足がよいか、右足なのかというのがあります

これはコーチの間でも意見が分れるところですが、私は、右利きの人と左利きの人の違いだと思います。

以前、自分の選手たちを使って実験したことがあります。

まだ、2ビートを知らない子達に教える時、2つのグループに分けて、ひとつは右入水時右キック、

もうひとつを右入水時左キックで教えました。

そしてどちらが一番タイムが伸びるのか観察したところ、なんとどちらも同じように伸びていきました。

そしてなお観察していると、右入水時右キックしていたある子が、左キックに。

また右入水時左キックしていたある子は、右キックに代わってしまったのです。

結論として、足にも右利きがあり、手にもあり、その組み合わせは、それに左右されるのではないかと思います。

 

<ローリング>

 

クロールをするうえで大切なのが、ローリングという動作です。

ローリングとは名の通り、体を軸を中心に左右に揺らす(まわす)ことです。

クロールは、右を掻いて左を掻いてと交互に動かすので、ローリング運動を取り入れると、非常にプラスになります。

呼吸も、ローリングしているほうが、顔を傾ける角度が少なくてすみます。

また、クロールはできるかぎり遠くでキャッチすることが大切なので、ローリングをしたほうが遠くに入水できます。

またキックもローリングすることにより腰が入ったキックができます。(キックの編参照)

もしローリングしないで泳ぐとなると、掻く距離も縮まり、ある種のねじれ運動が生じ、くねくねした泳ぎになります。

ローリングの理想的な角度

では、ローリングの理想的な角度は何度でしょうか? それは、だいたい45度くらいが理想でしょう。

分度器をもって泳ぐわけにもいかないので、目安としては、だいたい肩が出るくらいです。

ローリング時の注意

ローリングは、体をまわすのであって、頭までローリングしてはいけません。

ゴルフのスイングでも、頭は回していけないと同じです。

水泳も、頭までローリングすると、ふらつきのある泳ぎになり、蛇行しやすくなります。

頭は、しっかりと固定して、目線を泳いでいる203メートル先のプールの底をしっかりと見ましょう。

 

2軸泳法

 

近年、2軸泳法という泳ぎ方が出てきました。イアンソープがその泳ぎ方とか・・・ ここでは、2軸泳法について説明したいと思います。

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ここのページで、ずっと説明しているクロールの泳ぎ方は、1軸泳法というものです。

それに対し、2軸泳法というのは、まるっきり違う泳ぎ方といっていいでしょう。泳ぎ方は日進月歩で、さまざまな工夫がされています。

その中で生まれてきた泳ぎが2軸泳法ですが、1軸泳法とまるっきり違うので、戸惑う人も多いでしょう。

今までタブーとされていたことが、2軸では良い場合もあったりして、理屈を知らないと不可解な部分があるかもしれません。

でも2軸泳法は、オリンピックで金メダルをとり、結果を出してきています。ですから、2軸泳法はどんな泳ぎ方なのか知っておくのも悪くありません。

ただ、何度も言いますが、1軸と2軸は、あまりにも違う泳ぎ方なので、混ぜて使うとか、そういう風には使えません。

わたし的には、どっちの泳ぎ方でしたらいいかと、選択するのでなく、両方泳げれるようにしたほうがいいと思います。

つまり、2軸を、第5泳法の泳ぎ方として、新たに習得するといいと思います。

簡単に、1軸と2軸の違いを下記の表にまとめてみました。 これから1軸と2軸を対比させながら、説明したいと思います。

  泳ぎ方 プル プッシュ 故障 特徴
 1軸泳法  1つ 体の中心  ローリング  S字プル  しっかりやる  ひじを壊しやすい  伸びのある泳ぎ方
 2軸泳法  2つ 体の両サイド  ローテーション  ストレートプル  やらない  体に優しい泳ぎ方  効率のよい泳ぎ方

● 2軸の長所・短所

  長所・・・なんといっても、泳いでいて楽って感じなんです。いつものクロール(1軸)と比べて、「えっ、もう50m??」というくらいに感じます。

       あとプッシュをしなくてもいいので、そこが楽な部分かもしれません。意外と、プッシュって疲れるんですね。

       1軸だと、プッシュしっかりやらないと怒られますから、でも疲れてくるとプッシュできなくなってしいます。

       2軸は、最初からプッシュしなくてもいいから、楽でいいです。もちろん楽な原因はそれだけではありませんが・・・あとあと説明していきます。

       そして、肘の負担がとても優しい。激しい練習しても(限度はありますが)故障しにくい泳ぎ方であると言えます。

       そして速い。習ったすべての人が速くなれるかどうかは疑問ですが、この泳ぎ方で結果が出ていますから、あなどれない泳ぎ方です。

  短所・・・見た目がよくない。おせじにもきれいな泳ぎには見えない。わたし的には、カニ泳ぎのように見えます。(カマキリかな)

       きれいな泳ぎは、やっぱりひと掻きで、スーっとたくさん進む感じで、少ない掻きなのに速いというのが、すばらしい泳ぎだと思います。

       でも2軸は、なんかガシャガシャして、どちらかというとピッチ泳法。個人的にあまり好きな泳ぎ方ではないですね。

       あと教えてくれる人がいない。習得が難しい。下手すると、もともとのクロールまでリズムが崩れてしまう などなど諸刃の剣の泳ぎなんです。

       理想としては、完璧に1軸ができるようになって、そして壁にあたって、それから2軸を習うほうがいいかもしれません。

       あと故障して、リハビリに2軸を取り入れて、本格的にメインの泳ぎにするという、そんな感じで考えていくほうがいいような気もします。

● 2軸泳法は、どんな泳ぎ方か 

  1軸泳法が、少ない掻きでグイグイ進むのに対し、2軸泳法は、ピッチで、ガシャガシャ泳ぐ感じですね。

  まず最大の特徴として、ローリングしません。ですから、体は基本的に、いつも水面に対して平行のポジションを保って泳ぎます。

  そしてプルをするときには、体の両サイドを軸にして、重心をのせるような感じで傾けます。息継ぎも、傾いているときにします。

  右をの腕を回すとき、左の体側の軸にのせるという感じです。

  プル動作は、体の中心にもっていかず、体の側面の軸にそって掻きます。S字ではなく、ストレートプルです。

  ストレートプルといっても、腕をますっぐに伸ばしたまま回す方法ではなく、ハイエルボの形を作り、そのまま真っ直ぐに掻くというストレートです。

  下記に、もう少しバラバラにして書いて説明したいと思います。

● 2軸泳法の基本的な動き

 <入水0キャッチ> 肩幅に入れ、そのまま体の外のラインにそって、まっすぐに伸ばす。

              (1軸・・・肩幅から、体の中心線に向かって伸ばす)

 <キャッチ0プル> 入水後、すぐにハイエルボの形をつくり、そのまま真っ直ぐ後ろに掻く

 <プル0プッシュ> ハイエルボの形が維持できなくなったら、そのままプルアウトする *プッシュはしない

 

<プルアウト位置> 腰の辺りから水の上に出してもオッケイです。

              (1軸・・・腿までしっかりプッシュしてから出します。)

 <左右のプルのタイミング> ここが大事!!

  2軸は、左右互い違いに掻くので、常にどちらかの腕が掻いています。掻く位置も体の外側のラインですから、下の図のように

       左右のずれのある軌道になります。それに対し、1軸は、体の中心を掻くので、左右同じ場所を掻くようになります。

       また1軸は、伸びのある泳ぎ方をするので、左右の手がどちらも掻いてない時があります。

 

<リカバリー> 2軸は手のひらが水面に近い位置をとおります。1軸は、ローリングする関係で、ハイエルボの形をとると手のひらは水面から離れます

● 1軸と2軸の 軸の違い

2軸泳法とは、その名前どおり、軸になるラインが2つあることです。

1軸泳法は、軸は体の中心にあり、それを軸として左右にローリングする泳ぎ方でした。

2軸泳法は、軸は体の両サイドにあり、そこを軸として、体を動かしますが、ローリングはしません。

つまり2軸の場合は、左右に体を動かすという点では、1軸のローリングと似ていますが、軸が体のサイドにあり

右から左、左から右へと、軸が移り(ローテーション)ます。

つまり、ローリングは、ひねる、まわすという感じですが、ローテーションは、傾ける、重心をかけるという感じです。

● ローテーションの時期

ローテーションは重心移動です。その移動のタイミングは、プルを掻くときで、掻くほうが下になります。

つまり右をプル(掻く)時は、右側の体のラインに重心をおきます。ローテーションのように体を回すのでなく、傾けるという感じです。

傾ける角度は小さいです。

● 2軸のキックの長所

キックの仕方は、基本的には変わりありません。(当たり前ですが・・・)  ただ、大きく違うところがあります。それは角度です。

1軸の場合は、ローリングする関係上、どうしてもキックも水面に対し、必ずしも平行に打てるわけではなく、体がまわしている時はキックも角度がつきます

でも、2軸の場合は、基本的にローリングしないので、キックは、いつでも真下に蹴ることができます。

サイドキックという練習したことがある人は分かると思いますが、キックは、角度がつくと、なかなか進みません。

でも、2軸は常に下向きにキックできるので、キックの推進力が100%使えるわけです。ロスがかぎりなく少ないわけです。

1軸は、足が斜めになるときが、半分以上あるので、キックが苦手な子はより進まなくなります。そのためにサイドキックの練習をして、体が斜めの状態

でも進むことができるような練習をとりいれるわけです。ですが、2軸の場合は、サイドキックの練習の必要はありません。

● 2軸ができているかどうかのテスト

2軸ができているかどうかは、簡単なテストで分かります。それは、片足を上げて泳げれるかどうかです。もう片方の足はキックします。

ローリングしていると、1軸になっていると、上げた片足が振れてしまうので、とても泳ぐことができません。

しかし、しっかり2軸で泳げれるようになっていると、上げた片足は振れることなく、安定して泳ぐことができます。

 

 

飛込みから浮き上がりまで

 

レースの時、飛び込みをして、浮き上がっただけなのに、もう差が開いてしまうというのを経験したことがありますか?

なにも掻いていないのに、もう差がついてしまうという事は、飛び込んでから浮き上がるまでに違いがあるという事です。

その最速の方法をお伝えしましょう。

 

飛び込みというのは、レース全体の中で、一番スピードの出る時です。

ですから、このスピードをうまく生かすかどうかで、レースが決まってしまうといっても過言ではありません。

下手に泳ぎをいじるよりも、スタート、ターンを上達したほうがタイムは縮まるからです。

飛び込みから、浮き上がりまでをまとめてみますと、下記のようになります

  1. スタート直後の飛び込みからの入水は、1点に指先から頭、肩、腰、足先まで、全部が同じポイントに入るようにします。そのほうが、スピードが殺されないからです。(パンクスタートといいます)
  2. 1点入水の場合だと、水面に対して体の角度があるので、 入水後、手首の角度と、1回のドルフィンキックで方向を変えます
  3. その後、ストリームラインの姿勢を保ち、できるだけ抵抗のない姿勢を維持します
  4. スピードが、自分の泳いでいる速度に近くなってきたら、ドルフィンキックを開始します。回数は、2回03回くらい(個人差アリ) このドルフィンキックをしている間は、平行に進みます
  5. さていよいよ浮き上がりの準備をします。 この時、はじめて浮き上がるための角度をつけますが。 キックは、バタ足にかえます。 バタ足のほうが、その後の泳ぎのリズムにそのまますんなり入れるからです。 つまり浮き上がってから、「さてと」っと言う感じでクロールはじめるのでは遅くなります。 この浮き上がり際に、上手にクロールに移行していかないといけません。
  6. バタ足にかえて、水面に近くになりましたら、最初のプル動作を開始します。 浮いてから掻いては遅いです。逆に深い位置にいるのに掻いても当然ダメです。 そのひと掻きで完全浮上し、浮上してから、2掻き目にスムーズに入るのが理想です。

   
注意・・・浮き上がって、最初の掻きで息継ぎする人が多いですが、これはもったいないです。
息継ぎは、ブレーキなので、このスピードに乗っている時は、息継ぎはしないほうがいいでしょう。
できれば、5掻きくらい、ノーブレしたほうが、よりスピードに乗りやすいと思います

浮き上がってからの、最初の掻きで息継ぎはしていけません

〇 やはり、ここのポイントは、なんといっても、ストリームラインなんです。

ストリームラインは、抵抗の少ない姿勢なんです。

これができていれば、それだけ速いスピードを維持し、速く、遠くにいけます。

〇 それと、ドルフィンキックの開始時期です。

これが速すぎるなら、ある意味せっかくのスピードを自ら殺してしまうようなものです。

逆に、遅すぎるなら、ドルフィンキックで加速することになるので、一度スピードをロストしているわけで速くおよげれません

ですから、泳いでいる時より、やや速い程度までスピードが落ちてから、ドルフィンキックを打つのがいいでしょう。

〇 そして最初のプルの開始時期のタイミングも大切です

浮上した時には、もう泳ぎに入っていないといけません。そのために水中での動作が大切になります。

以上のような、水中での動きが、飛び込みの時の差につながってくるのです。

飛び込みで、1メートルの差がついてしまうということは、それだけ有利(不利)に大きく影響します。

 

Q.コーチによって指導法が違うのはなぜか?

 

水泳の指導法は様々です。それに同じクロールでも泳ぎ方はいろいろあります。

コーチの中でも教える方法は、それぞれ違うし、それぞれ自分の意見を持ってます。

ですが、どのコーチの教え方が正しいのか違うかというと、それはどれも正しいと言えます。

逆に10人の選手がいれば、10の指導法、指導者が必要なのです。

あるコーチのもとでは、とても伸びる選手もいるでしょうし、逆になかなか伸びない選手もいます。

ひとりのコーチで、どちらもすべて伸ばすというのはなかなか難しいことです。

ですから早く自分のあった指導法を見つけるのがよいと思います。

もし、自分の意見とコーチの意見が違う場合、どうしてなのか聞くと良いかもしれません。

なかなかタイムが上がらない場合も、コーチと膝を向き合って、よく話し合う必要があるでしょう。

そしてお互いがよく学びあって、よい方向に向かうように、二人三脚で成長していかないといけません。

そのコーチの理論が納得できるならとり入れて、そうでないなら自分の理論、又は本とか学んだ理論について話し合うことです。

そして、双方が柔軟に対応していくのがよいことでしょう。

ですから、ここに書いた、クロールの説明もそれが当てはまります。

これもひとつの指導法であって、また他の指導書とは違うかもしれません。

でも、いろいろと試してみて、自分にあった最速の泳ぎの形を見つけるようにしないといけません。

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