①まず、よく考えるという事
コーチの言うとうりに泳いでいれば、必ず速くなるでしょうか?
答えは、コーチだけでなく、選手自身もどうしたら速くなるかを考えて泳がないといけないでしょう。
無心に泳いでいて、壁にあたったら、今度は有心で泳ぐのです。
コーチはヒントを与えてくれます。それを自分自身で消化して自分のものにしていくことが大切です。
速く泳げる形と、そうでない形は微妙にしか違いません。(上級者に限る)
その細かい調整は、選手自身がいつも気をつけていないと直りません。
なぜなら、コーチは指摘することはできても、コーチが泳ぐのでないからです。
②泳ぎの三大法則 (浮く)
まず、しっかりと浮いているかという点を考えます。
泳げているのだから、浮いているじゃないか、と思うかもしれませんが、そうではありません。
水に乗れて泳げているのか、沈んで泳いでいるのかは大きな違いがあります。
もちろん沈んで泳ぐと抵抗は大きく進みにくいです。
ではどうしたら、浮けるのでしょうか?
まず、余分な力がどこかに入っていないか? という点をチェックします。
力が入ると沈みやすくなるからです。
例えば、キックは足首の柔らかさで進みますが、膝などに力が入りすぎてないでしょうか?
姿勢は、しっかりとストリームラインができていますか?
泳いでいる最中にこの姿勢をする時がないので、あまり大切でないという人がいますが、
それは大間違いです。
ストリームラインは基本の基本です。
この形が中心となって手と足がしっかり掻いて進むのです。またこの形が1番浮きやすいのです。
浮こうとおもって、体を不自然に持ち上げても、腰から下が沈みかえって抵抗を生んでしまいます。
ストリームラインを大切にしましょう。
それが浮きやすい泳ぎ、水に乗れた泳ぎを作ります。
③泳ぎの三大法則 (掻く)
水を掻かないと進みません。当たり前です。ですから、この点も無視できません。
では、どういう形がよく掻けるのでしょうか?
ここで問題です。
「次の内よく掻けるのは、どの手の形でしょうか?」
1.手をお椀のようにして掻く
2.指を伸ばして、くっつけて掻く
3.指を伸ばして、開いて掻く
4.指を伸ばして、指の間隔の調整は、なにもしない
5.指を伸ばし、そらせる
6.指を伸ばし、親指を中に入れる
答えは、4番です。分りましたか
大切なのは、手のひらの面積の広さです。
お椀は水をくむにはいいですが、面積にすると開いたよりも小さくなります。
そして指をくっつけるよりも、開いたほうが面積は大きいです。
でも指を開きすぎると、指の間から水が逃げて、実際に掻ける水の面積は小さくなってしまいます。
親指を手のひらに入れるのは、もちろん親指分だけ面積は小さくなります
〇さて、今度はどこを掻くのかということを考えます
例えば、クロールで泳いでるとき、まっすぐに掻くと推進力は効率よく生まれるでしょうか?
腕をまっすぐにして掻くということは、最初から最後まで推進力を生んでいるのでしょうか?
答えは違います。実質しっかりと進む力が出る時は、1/2、2/3くらいでしょう。
腕が沈む時と、上がる時は推進力はないからです。
むしろ体の近くを掻くようにして、あまり腕を水の中に沈ませずに掻くようにするならば、
推進力はまっすぐ掻くより長く生み出せます。
〇また流れている水を掻くのと、止まっている水を掻くのと、どちらがしっかりと掻くことができるでしょうか?
もちろん、止まっている水です。
しかし、泳いでいる時、まっすぐに掻くと、最初に手のひらで掻いた水が流れ出します。(動きます)
ですから中盤からは動いている水をひたすら掻くことになってしまいます。
そうなると後半の掻きによって生まれる推進力は動いている水を掻くので、
止まってる時の水を掻くより小さくなります。
ですから、それを防ぐためには、たえず止まっている水を掻くことです。
それにはジグザクに掻く、あるいは円を描くように掻く事です。
このジグザグというのには、また揚力が関係してくるので、より推進力を生みます。
それはまたの機会に書きます。
〇あと泡をつかむと、しっかり掻けません。泡のおかげで推進力が減ります。
泡を切るには、キャッチはするどく、水に刺すように入れます。
クロールの場合、キャッチ後に外側に手を振ることにより、泡を切る事ができます。
自分が泡をつかんでいるかどうかは、ゴーグルをつけて手のひらを見ればすぐに分ります。
④泳ぎの三大法則 (抵抗を減らす)
この抵抗を減らすというのは、かなり重要なポイントでしょう
同じ推進力でも、抵抗が少ない方が速く泳げれるからです。
そして大切なのがストリームライン(もっとも抵抗が少ない形)を維持することにかかってきます。
そしてさらに気を付けることは、逆噴射しないことです。つまりわざわざ自分から抵抗を作らないことです
たとえば
・クロールの時、頭を超えて反対側に入水すること (1図)
その位置から掻くと、一時的に逆噴射していることになる
・深い位置にキャッチすること、抵抗が増します (2図)
・背泳ぎの時、カッコつけて水を叩いて泳ぐことも意味がないし、
わざわざブレーキをかけながら泳ぐことになります。
・平泳ぎのキックをしっかり蹴ろうとして、膝を前に出しすぎても抵抗になります。 (3図)
図1 | 図2 | 図3 |
抵抗は様々な所に生まれます。泳ぎの性質上どうしても出る抵抗は仕方がありませんが、
それでも少なくする努力が必要です。
また誰かにチェックしてもらう(コーチなど)ことも必要でしょう。
自分自身だけでは、実際に自分がどうやって泳いでいるか分らないからです。
上記の泳ぎの三大法則は非常に大切なので、いつもひとつひとつ
チェックして泳ぎましょう
この法則がしっかりできていると、あなたのタイムは伸びます
どうしてもタイムが伸びない人へ
水泳で使う筋肉は限られています。(一応全身運動ですが、強度がそれぞれ違う)
いろいろな筋肉を鍛えるには、泳ぐだけでなく、いろいろなスポーツを試してみるのもいいでしょう
このさいパーと、羽を伸ばしてみるのもいいんじゃない?
同じ気の持ちようで、全然結果が変わるので、気分からも直していきましょう。
コーチから見た選手の能力を伸ばす方法
選手を速くしたい、よい記録が出せるようにしたい、と思うのは、コーチならみんな当たり前です。
でも良いコーチといくら努力してもなかなか実のらないコーチの違いはどこにあるのでしょうか?
これは一口にはいえません。なぜならみんなそれを捜し求めているからです
でも、いくつかの事柄を考えてみる事はできます
〇選手はコーチを信頼しているか?
選手がコーチを信頼していないのなら、速くなるわけがありません
〇コーチは自分の指導方法に自信があるか?
指導法はたくさんあります
それぞれに良い所はありますが、コーチがそれを信じてやっていないのなら速い子は育ちません
〇目的のある指導計画を立てているか?
その日にその日の指導メニューを決めているようでは不安です。
それぞれの時期に何をするのか、できれば年間で計画を立てる必要があります
少なくとも、3ヶ月ごとにおおまかな目標を立てると良いでしょう
〇選手がコーチのやろうとしている事を理解しているか?
ただ何も言わずに泳がせていてもダメでしょう。選手自身も目的を持たせて泳がせないといけません
〇飴とムチを上手に使い分ける
ただ厳しいだけでもいけないし、だらだら泳がせていてもダメでしょう。
誉める事をしていますか?
でも、指導法はたくさんあるので、どれが良いとか良くないとかは言えません。
1番自分の自信を持ったものをするのが1番です。また経験をする事です。