障がい者がスイミングに来る
障がい者でも水泳ができるようになるのでしょうか?
その答えは、その障がいによります。
しかし、最初からできないと決めつけるのは、親もコーチもしてはいけません。
なぜなら、私の教え子の中には、50mクロールが泳げれるようになった子供がいるからです。
でもその子は、私が入る前はぜんぜん泳げずに、
コーチの中でもこの子を泳げるようにさせることができたら一流のコーチだ、といわれてました。
でもそれは一流でもなんでもありません。
コーチが泳げないと決めつけているから、いつまでたっても泳げないのです。
確かに口で言っても分らないことがあったり、しっかり並ばなかったり、
勝手に行動することは多々あります。
規律を重んじるコーチや、子供を思いどうりに動かそうとする人は、
もう並んだ時点であきらめてしまいます。 でも、それではいけません。
しっかりと、並ばせる事も大切ですが、まずその子のことを良く理解してあげることです。
障がいといっても、全部おかしいわけではありません。また人格も性格もしっかりと持っています。
中には、普通の子よりも優れている能力もあります
そういうものを汲み取ってあげて、できないところはしょうがないですが、
できるところを伸ばしてあげることができます
それには、「この子は障がい者だ」という意識を捨て、一人前の人間として扱うことが大切でしょう。
そうすれば、その子が持っている優れた点を伸ばすことができるでしょう。
さて、障がい者の子供が一般のコースで練習するのがいいのか、
障がい者のコースで練習するのがいいのかは、一口ではいえません
私はどちらも教えたことがあるのですが、
障がい者の子は普通の子よりも手がかかることは事実です。
ですから、一般のクラスにいたときは、その障がい者の子供にばかり手がかかり、
普通の子が練習できないという事態が生じました
親やその障がい者の子供の利益から考えると、普通の子と一緒に練習した方がいいと思いますし、
普通の子供たちも、そういう子がいることはとても良い社会勉強になり、
いたわることや協力する事、助けることを学ぶよい機会になります。
しかし、水泳を習いに来たという事を考えると、そうばっかり言ってられません
障がい者の子供のために授業がストップする事は、お金を払ってきている
他の普通の子供たちのマイナスにもなります。
ですから、1番いいのは、障がい者のためのクラスに入る事が、よいかもしれません
でも、障がいの程度にもよりますが……。
どのように障がい者を教えるか
障がいにもよりますが、まずその子を理解する事から始まります。
いま教えている障がい者のクラスは、とても好評で20人くらいの方が習いに来ています
レベルも様々で、顔つけができない子や、クロールで10mは泳げれる子などがいて、
なかなか少ないコーチでは大変です。
私が思うには、できない事を嘆くよりも、できる事をまず発見する事が大切です。
そしてコーチ自身が絶対に、この子は泳げれるという確信を持つ事です。
人よりは進歩のスピードは遅いですが、でも確実に上達しています
さて、具体的な教え方としては、言葉が通じる子はそれほど大変ではないですが、問題は通じない子です。
でも本当は通じているかもしれません。それを表現することができないと思ったほうがよいでしょう
ですから、積極的に話しかける事は大切です。また、お手本を見せる事も大切です。
言葉が理解できなくでも、お手本を見せると、まねをします。
キゲンが悪い時は何もしないですが、ひたすらお手本を示し続ける事です。
また、実際に体を動かしてあげる事で、直接からだの運動神経に教える事も出来ます。
これは一般の子でも適用できます。難しい技術を教えるときは(ターンなど)言葉で説明もしますが、
実際に体を動かしてあげる事がとってもよい成果を上げます。
障がい者ならなおさら有効な手段です。
て゛も障がいによりますので、すべてが有効な訳でもありません
1番大切なのは、つねにアイコンタクトをとることです。
目で会話をするように心がけると心を開いてくれます。それが出来てないうちは、何を教えてもダメでしょう
また、障がい者自身がいつも 「できない」 と思っている子もいます。
でも、やればできるのだということを、優しく励ます事も大事です
障がい者のクラスを持って、1番励まされる事は彼らの彼女らの目がとても澄んでいる事です。
最近の子供たちのように、死んだ眼をしていません
またいつも笑顔です。悩みがないとは言いませんが、
彼らのように物事をまっすぐに見れるようでいたいと思います。
と、いつもこのクラスを担当するたびに思います。
いつか、このような障がいが、この世からなくなるといいですね