ADHDの子供について

ADHDの子供 (注意欠陥・多動性障害) について

 

学校から近所からいつも苦情が来て、

少しでもうまくいかないと大暴れして物を壊したり、

引っかいたり、集中力がなく5分と持たない子供たち

(自閉症のことではありません。専門書によっては同一と見るのもありますが、ここのページは、自閉症と分けて考えています。)

 

最近短い間でさえ、じっとしていられない子供が増えています。

スイミングにおいても、それは多く見られます。

すぐに他の子供の練習を邪魔したり、叩いたりします。

どうしてそのような子供が多くなったのでしょうか?  何か原因があるのでしょうか?

これは一種の障害です。活動過多症候群ADHD(注意欠陥・多動性障害)というものです。

児童の約5%はこの障害を持っているといわれ、女の子より男の子に多くみられます。

「そうした子供の頭の中は,チャンネルの壊れたテレビのようだ。

考えていることが次から次へと変わる。規範や規律などない」

 

症状は?

 

この障害にかかっているかどうか判断するのに、次のことを考えることができます

① いつも落ち着きがない、頭をゆすったりする

② いつもかんしゃくをおこしている、非常にわがままにみえる

③ 眠りが浅い、悪夢をよく見る

④ すぐにあきる

⑤ 攻撃的で、他の人がしていることを邪魔する

⑥ 怒られても、同じことをする

⑦ つめをかむ、皮膚を引っかく

⑧ うそをつく、けんかをする、反社会的な行動

⑨ 自分の行動を制御することができない

でも、単に親がしつけを怠って、わがままな子供とは違います

自分の子供がこの障害を持っているかどうかを調べる方法があります。

知り合いの家に1日預けてみる事です。

もし、他人の家庭の中では、驚くほど協調性を示し、家の人の言う事をよく聞くのであれば、

活動過多ではないと思われます

 

 

原因は?

 

妊娠中のストレスや、食事(アルコール)によるもの。

都市部の環境汚染による体内の鉛の量が増えること。(自動車の排気ガスから出る)

ですが、はっきりとした原因は、まだ分かっていません。

最近の研究では、ADHDは脳の特定の機能の障害と関係があるものと考えられています。

脳の,運動や注意力を制御する領域ではグルコースの代謝が普通よりも遅いことが分かっています。

 

主な3つの症状

 

注意力散漫・・・ADHDの子供は,細部の重要でない事柄をふるい落として,一つの事柄に意識を集中することが

          できません。そのため,関係のない光景や音や匂いによってすぐに気を散らされてしまいます。

         窶r壕モを払ってはいるのですが,自分を取り巻くものの中で特に注意を引くものがありません。

          どれにまず意識を集中したらよいかが見極められないのです。

衝動的行動・・・窶・DHD児は考えるより先に行動し,その結果がどうなるかを考えません。計画性や判断力に乏しく

         危険な行動をする時もあります。「道路に飛び出したり,何かのへりに飛び乗ったり,

         木にかけ登ったりする。そのために,余計な切り傷や打ち身やすり傷を負って,医者のところへ行く

         ことになることも少なくありません。

多動:   ・・・ 多動な子供はいつもそわそわしています。じっと座っていることができません。

         注意深く観察すると,年齢が進んでも,脚部,足,腕,手,唇,舌などを何らかの仕方で絶えず

         動かしています。

 

活動過多の子供と接し方

 

活動過多の子供には、おしおきは効きません。逆にさらにひどくなる場合もあります。

ある医師の話によると、活動過多の子供自身が

自分で自分の行動をどうすることもできないからです。

ですから、これは障害なのでお仕置きをしても直りません

 

ADHDの子供を育てる

 

子供がADHDを持っているからといって,親はしつけをしなくていいというわけではありません。

この点で子供には特別な配慮が必要かもしれません。

専門家 ゴードン・サフォンタイン博士は、「あきらめてしまって,多動の子供が“走り回る”ままにさせておく親は,

子供のためになることを何もしていません。多動の子供にも他の子供と同じように,一貫したしつけや、

一人の人間として敬意を受けることが,つまり,明確な制限とふさわしい賞罰が必要です。」 と述べています。

ですから,親がしっかりした規範を設けることは大切です。さらに,日常生活の日課をきちんと守る必要もあります。

宿題や勉強や入浴の時間を含むこのスケジュールを組む際,親は子供に自由な時間も幾らか与えたいと思うこと

でしょう。その後は,一貫してそれをやり通してください。日課が必ず守られるよう見届けましょう。

医師やまた教師は,子供と父母に対して,ADDあるいはADHDであるとの類別は,どんなことをしても大目に見る

ようにということではなく,その子供をきちんと助けてゆけるようにするための説明なのだということを、

はっきりさせる義務があります。

  認知訓練の必要性 ・・・ これには,子供が自分自身と自分の障害に対する見方を変えるように助けることが

含まれています。注意欠陥障害を持つ人は,人を引き付ける,聡明で親切な人であっても,自分のことを『醜く,

愚かで,だめな人間』と思い込みやすい傾向があります。ですから,ADDあるいはADHDの子供は,自分の良い面を

そのとおりに見る必要があり,注意力の問題は克服できるということを知る必要があります。

このことは,青年期には特に重要です。ADHDを持つ人は,十代になるころまでに,仲間や教師や兄弟から,

ひどいことを言われてきたかもしれません。でも今は,現実的な目標を定め,自分自身について厳しい見方ではなく

偏りのない見方をする必要があります。

 

治療方法

 

食事療法が効く場合もあります。活動過多の患者が影響を与えている物質があります。

それが自然のものであれ、人工的なものであれ変わりません

それらの物質が脳の機能を幾分妨げるので、それが行動に影響しているのです。

その物質はある種の野菜と果物に含まれ、

人工の着色料や香料の中には問題となるほど多く入っています。

ですが、その物質とはまだ現在の医学では、よく分っていません。

また、この方法ではすべての子供が良くなるのでなく、50%位だそうです。

 

薬物の使用 リタリンについて

 

リタリンは望ましくない症状を取り除くかもしれませんが,不眠,不安の亢進,神経過敏などの不快な副作用をもたらすこともあります。

徴候を早く除こうとするあまり,子供に安易に薬物を投与することがないよう医師は警告しています。

ですが、現実は、ただおとなしくさせるためにリタリンが投与されてきた子供たちが多いそうです。

薬物の投与は、熟達した医師の管理のもとで行われるべきです。

 

砂糖との関係

 

活動過多は、砂糖が原因の場合もあります。

活動過多を示す子供は、軽い低血糖症(血液中の糖分が少なくなる病気)にかかっている可能性もあります

糖分をとるとインシュリンという物質が体の中で作られ、そのインシュリンが

血液中の糖分を取り除くスピードが速過ぎて糖分の補充が間に合わなくなります。

脳の機能は血液中から糖分をとることで働くのですが、低血糖症にかかると、脳の機能が鈍り、行動に乱れが生じます。

甘いものを欲しがるのは、血液中の糖分が少ないことの表れです

だからといって砂糖をたくさんとるのは非常に危険です。

砂糖を食べると血糖値が突然高くなって、それを下げるためにインシュリンが多量に出てしまうからです。

ですから治療法としては、砂糖でできた食物、キャンディー、菓子をとらないことです。

そうすることにより、活動過多が直った子供もいます。

活動過多は現代が生んだ障害といってもいいでしょう

あまりにもおかしい感じの子供なら、この障害を疑ってみることです。

そして正しい接し方をし、治療に専念するのが良いでしょう。いくら声をからして怒鳴っても直りません

もし、これらの方法でも成果がなかったら、専門医の検査をお勧めします。

 

注意

 

ほとんど、どんな子供も,注意力が散漫で,衝動的,また活動過多になることがあります。

こうした特徴があるからといって,それは必ずしもADHDであることを示すものではありません

自分の子供が、ADHDかもしれないと思う場合でも、「重要な徴候を一つ残らず検討する」ようお勧めします。

様々な身体的また知能的問題の一面がADHDに似た症状として出ているのかもしれません。

ですから,正確な診断をする上で,経験を積んだ医師の助けを得ることは不可欠です。

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